導入事例

CASE STUDY

アルテリア・ネットワークス株式会社

本事例で採用された製品・ソリューション

多点接点監視・制御ユニット
「RMS-DIO9632-PI」
アナログ入力モジュール
「RMS-AI08」

オープンソース統合監視ソフトウェア「Zabbix」と
接点監視・制御ユニット「RMS-DIO9632-PI」の連携により
通信局舎設備監視の大幅な効率化と高度化を実現

  • ネットワーク対応多点接点監視・制御ユニット 業種:情報通信
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光ファイバー網を自社保有し、独自のインフラを活用した多彩なネットワークサービスを提供するアルテリア・ネットワークス株式会社(以下、アルテリア・ネットワークス)。同社が取り組んでいるのが、全国に存在する基幹ネットワーク局、およびアクセス拠点における設備の遠隔監視・制御を可能とする仕組みの構築です。そこで同社は、東京エレクトロンデバイス長崎が開発/販売するネットワーク対応多点接点監視・制御ユニット「RMS-DIO9632-PI」、アナログ入力モジュール「RMS-AI08」、そしてオープンソース統合監視ソフトウェア「Zabbix」による監視・制御システムを構築。運用管理にかかるコストを抑制するとともに、データの可視化による分析・高度活用が可能な基盤を実現しました。

開発・導入前の課題
  • ■通信局舎の遠隔監視・制御システムの刷新を契機に運用コストを抑制したい
  • ■アナログ情報をSNMPで取得しZabbix上で統合、可視化して分析を行いたい
ソリューションの利点
  • ■監視ソフトウェアとネットワーク対応多点接点監視・制御ユニットにより通信局舎の設備のデータをリアルタイムで取得し、障害の迅速な把握と対応を実現
  • ■東京エレクトロンデバイス長崎が提供するZabbixテンプレートを活用することで、遠隔監視・制御システムの開発にかかる期間を大幅に抑制
導入後の効果
  • ■通信局舎の設備データを詳細に可視化、将来的な設備増強計画の策定等にも活用可能に
  • ■全社データ分析プラットフォームとの連携により、さらなる運用の効率化と高度化を推進
  • アルテリア・ネットワークス株式会社
    法人事業本部 第二技術本部
    ファシリティエンジニアリング部 ファシリティ保守運用課
    アドバイザリーエンジニア
    亀井 伸彰 氏

アルテリア・ネットワークス株式会社

本   社
:東京都港区新橋6-9-8 住友不動産新橋ビル
資 本 金
:51.5億円
(2024年3月31日現在)
従業員数
:連結/1,109名、単体/880名
(2024年3月31日時点)
U R L
https://www.arteria-net.com/

ネットワーク基盤の継続的な拡張に伴う増大する運用負荷とコストの抑制が課題に

自社保有の光ファイバー網による独自のインフラを活用したネットワークサービスを強みに、通信事業者として社会のインフラを支え続けてきたアルテリア・ネットワークス。全国の主要都市、および主要都市間を広範囲にカバーした「高速」、「高品質」、「高安定性」な自社回線を通じて法人向け専用線、VPN、インターネットなどの通信インフラサービスに加え、マンション向けISPサービスを提供。近年では、国内外の光海底ケーブル事業など、新しい事業にも積極的にチャレンジしています。

アルテリア・ネットワークスはサービスを支える施設として、全国に複数の通信拠点を有しています。そうした中で、喫緊の課題として浮上していたのが、通信局舎に設置されていた、受電設備、通信用電源設備、空調設備、非常用発電機、消防設備等、アナログ設備の監視装置の更新でした。

法人事業本部 第二技術本部 ファシリティエンジニアリング部 ファシリティ保守運用課 アドバイザリーエンジニアの亀井伸彰氏は、「1997年の創業以来、当社は多くの企業と合併し、ビジネスとネットワークインフラを拡大させてきました。しかし、合併によって増加した通信局舎は、それぞれ異なる監視システムを用い、複数のシステムが並行して運用されていました」と説明します。

また、通信局舎の中には外部企業へ監視を委託しているものもあり、運用コストのさらなる増加をもたらしていたといいます。

既存のアナログ設備の監視装置が生産終了を迎えること、また、新拠点の開設も計画されていることを契機に、監視装置の刷新を決断。コスト効率の高い監視環境を実現するために同社が選択した方策は、各設備から取得される監視用のアナログ信号をSNMPに変換しIPネットワークに統合、オープンソース統合監視ソフトウェアを用いて一元管理するというものでした。


アルテリア・ネットワークス様の監視・制御システムの構成図

多彩なオプションと多くの接点数をサポート
Zabbixとの連携実績も評価しRMSシリーズを採用

この仕組みを実現するために、最終的にアルテリア・ネットワークスが選択したのが、東京エレクトロンデバイス長崎が開発/販売するネットワーク対応多点接点監視・制御ユニット「RMS-DIO9632-PI」、そしてアナログ入力モジュール「RMS-AI08」です。

選定理由について亀井氏は、「RMS-DIO9632-PIは多くの設備を収容可能な十分な接点数をサポートしており、コストを抑制しながらアナログ設備ごとに個別に詳細なデータを取得し、運用管理が可能なことでした。また、サポートする接点数についてもバリエーションを有したラインナップが揃っており、通信局舎の規模に応じて最適な機器が選べることも評価ポイントです。そして、温度センサ、アナログ監視、電流監視など監視オプションが充実しており、遠隔からでも無人の通信局舎の監視、万が一の障害時の対応も容易になると判断しました」と説明します。

Zabbixとの多くの連携実績があったことや、東京エレクトロンデバイス長崎から設計、容易な導入、運用をサポートするZabbixテンプレートが提供されていたことも採用理由になりました。

今回、本格導入に先駆け、実機を用いたPoCも実施されています。「RMSシリーズとZabbixの連携の検証に際して、検証用の環境で動作するZabbixサーバを当社で用意できなかったところ、東京エレクトロンデバイス長崎からZabbixサーバも貸し出してもらえました。そうした親身な同社のサポートにより、実際に警報が発生するシナリオを体験できたほか、通知フローやアラート管理について具体的な運用の見通しを立てられました」と、亀井氏は振り返ります。実際、Zabbix連携は問題なく実現され、リアルタイムでの監視情報がZabbixに反映、異常時の通知も迅速に行われることを確認できました。

「このほかにも、温度センサがノイズを拾ってしまい正しいデータを取得できないこともあったのですが、東京エレクトロンデバイス長崎は検知タイミングを修正するファームを提供してくれました。そうした顧客からの改善要望に対する迅速なフィードバックと、製品改善に対する企業姿勢も評価ポイントです」と亀井氏は評価します。


詳細なデータのリアルタイム取得が可能に
より高度な監視環境の構築にまい進

2024年からアルテリア・ネットワークスは通信局舎へのRMSシリーズの導入を開始。2025年5月現在では数拠点での運用が行われています。今後、主要拠点を中心に導入を展開し、その後は全国規模への導入拡大を検討しています。

現在、RMSシリーズを用いて、各設備からの警報接点、温度データ、AC、DC電流等のアナログデータを取得しZabbix上で統合管理を行っています。加えて、IP対応の電源装置のデータや、外気温などのオープンデータについてもZabbixで直接収集。異常が発生した場合の判定はZabbix上のトリガー判定で行い、異常と判断された場合、現地のパトライトへ通知するとともに、保守チームにEメールやメッセンジャーで通知、対応してもらう仕組みが実現されています。

「RMSシリーズの導入により、無人拠点の電力や温度データなどを、これまで以上に詳細に収集・蓄積し、ダッシュボード上で可視化できるようになりました。これにより、現場に足を運ばずとも、継続的に正確なデータを得られるようになっています」と亀井氏は話します。

また、亀井氏は「データが継続的に取得されるようになったことで、これまでは困難だった設備の状況がリアルタイムに把握できるようになり、問題点の即時把握が可能になったほか、データを活用したさまざまな改善策の立案も行えるようになっています」と加えます。

「例えば、各種設備の負荷状況を正確に把握することで、将来的な設備増強計画の立案に役立てられると期待しています。また、外気温のオープンデータを、定期的にZabbixを通じて収集しているのですが、温度センサから取得される室温と比較することで、通信局舎内の最適な温度設定にも役立てられると考えています」(亀井氏)

RMSシリーズとZabbixを組み合わせた監視環境の構築により、設備の常時監視と取得データの高度活用を実現したアルテリア・ネットワークス。亀井氏は「全社で展開を行っている、分析プラットフォームとの連携も進めており、ネットワーク機器からのデータと併せて取得・分析し可視化することで、さらに運用の効率化・高度化を進めていきたいと考えています」と展望を語りました。

本案件で導入された製品
【アルテリア・ネットワークス株式会社のご紹介】

1997年の創業以来、自社保有の光ファイバーによる大容量のバックボーンとアクセスラインを活用し、法人向けに顧客ニーズに合わせてオーダーメイドのネットワーク環境を構築するネットワークサービスと、専有型による安定的な高速通信を提供するインターネットサービス、マンションインターネットサービスを展開。これらの事業基盤を活かし、新たな価値を創出しています。

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