分電盤・バスダクト・PDUの
SNMP電流監視

SNMP CURRENT

分電盤・バスダクト・PDUの
SNMP電流監視


サーバ電源の電力測定と電流測定

センサ取り付けによる電源監視システムは大きく2つに分けられます。1つは電力測定機器を用いた有効電力の管理システムです。有効電力や積算電力量によるエネルギー管理が目的の場合はこのシステムが必要です。測定対象回路に電流センサを取り付け、さらに空きブレーカー等から監視機器の電圧測定端子に接続します。電流と電圧を測定機器に取り込むことで正確な電力量を測定できます。もう1つは、電流測定機器を用いた電流監視システムです。電流値の閾値監視によるブレーカートリップ防止が主な目的ですが、電力については皮相電力で管理することができます。測定対象回路に電流センサを取り付ける点は電力測定機器と同じですが、電圧測定端子の接続は不要なため、計測機器も設置工事もシンプルになりコストメリットがあります。


ModbusとSNMP

電源設備の通信にはオープンプロトコルのModbusが広く採用されています。しかし、通信・IT業界では、通信機器をネットワーク経由で監視・制御するオープンプロトコル SNMP(Simple Network Management Protocol)が広く採用されてきました。さらにSNMPの世界では高機能なOSS(Open Source Software)が普及し、様々なSNMP対応ネットワーク機器をこれらOSS監視ツールで監視するようになりました。分電盤やバスダクトなどの電気設備もメーカーからはModbusによる監視インターフェイスが提供されていますが、監視ポイントにSNMP対応センサ機器を取り付けることでITシステムとの親和性の高いIPネットワーク監視ツールを活用したシステムを構築できます。


分割型電流センサの取り付け

電流センサには貫通型と分割型があります。貫通型は電源設備を製作する段階で電源ケーブルを中に通します。分割型はコア部分が分割されているため既設の電源ケーブルに取り付けることができます。このため、設置された分電盤やバスダクトPIU(プラグインユニット)などの電流監視を行う場合にはこの分割型電流センサを使用します。電流を手動測定する際に使用するクランプメーターと同じように活線状態で「はさむ」だけで取り付けることができます。


分電盤主幹回路・分岐回路への
電流センサの取り付け

既設の分電盤には貫通型の電流センサが取り付けられていることが多くあります。これらは分電盤の新規設計の段階で取り付けられて中央監視システムで監視されます。このため、サーバやネットワーク機器の安定運用を目的として電流監視を行う場合には、この中央監視システム用のセンサとは別に分割型電流センサを取り付けて電流監視システムに取り込みます。交流電源用では、最大電流値600A/400A/200A/100A/50Aがあり、測定対象回路の最大電流と取り付ける電線径に応じてセンサを選定します。また、電源種別によって電流センサの必要数が決まり、単相2線式に取り付ける場合は1つ、単相3線式には2つ、三相3線式には3つを取り付けます。既設の分電盤に取り付ける場合には電流センサの取り付けスペースを確保できるか確認する必要があります。分電盤の設計段階で電流センサを取り付ける計画がある場合には、その取り付けスペースとセンサケーブルの配線経路を確保します。


  • 既設の分電盤ではセンサ取り付けスペースが重要です。コストアップを許容すれば超小型センサに対応可能です。

  • 新規設計の分電盤ではケーブルダクト等で電流センサケーブルの配線経路を確保します


バスダクト分岐回路(PIU)への
電流センサの取り付け

バスダクトのPIUには高遮断容量のブレーカーを実装しただけの安価なモデルや、Modbus対応の電力監視ユニットを内蔵した高機能モデルなど様々なモデルがあります。ブレーカートリップの未然防止と皮相電力管理が目的の場合は電力監視ユニットはオーバースペックとなるため、ブレーカーだけの安価なPIUに電流センサを取り付け多回路電流監視ユニットで集中監視することで監視機器のコストを合理化します。このとき、PIUに引き込む電流センサケーブルはPIUのブレーカー数に合わせた分岐ケーブルを使用します。


コンセントバー、PDUへの電流センサの取り付け

分電盤やバスダクトPIUなどには建物側の責任範囲で電流センサを取り付けることができるため計測機器及びセンサを効率的に設置できます。しかし、これらファシリティへのセンサ取り付けが許容されない場合には、サーバラックに取り付けるコンセントバー・PDU(Power Distribution Unit)側で測定する必要があります。PDUには、電流・電圧・電力・電力量・力率までリモート監視できる「インテリジェントPDU」と呼ばれる優れた製品があり、ハイエンドモデルではアウトレット単位の電力計測や電源オンオフ制御までが可能です。しかし、ブレーカートリップの未然防止と皮相電力管理が目的の場合はこれらインテリジェントPDUはオーバースペックとなるため、クランプメーターによる電流測定が可能なアーチ付きPDU(大和電器製 電流測定対応 PDU R6183、R6184)を使用します。電流測定用アーチにセンサを取り付け多回路電流監視ユニットで集中監視することで監視機器のコストを合理化します。


ブレーカートリップでSNMP TRAPを送信する

バスダクトに警報接点付きブレーカーが取り付けられている場合には、その接点信号が集約された出力信号を接点監視装置に接続してSNMP変換します。SNMPマネージャ―からのSNMP GETポーリングによる状態監視も可能ですし、接点アラーム出力時のSNMP TRAP通知も可能です。バスダクトPIU単位の接点アラームを接点監視装置に接続することで、SNMPマネージャではどのPIUでアラームが発生したのか一目で把握することができます。


東京エレクトロンデバイス長崎の電流監視装置

全ての製品で分割型電流センサを採用し電流測定値をSNMPで取り出し可能、WebUIから設定した電流閾値を常時監視してSNMP TRAP 送信することができます。交流電流監視には交流電流監視専用機 RMS-CU80と、電流監視・電圧監視が共に可能な RMS-4000とがあります。また、直流電流監視には直流電流監視専用機 RMS-DCU44があります。


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