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株式会社インターネットイニシアティブ様
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本事例で採用された製品・ソリューション
- 電子錠サーバー・ソフトウェア
- RMS-ELSS-R
- 電子錠管理ユニット
- RMS-EL48R
サーバーラックに電子錠システムを導入し、
オペレーション業務の効率化・自動化を図る
- 電子錠システム 業種:データセンター
- PDFファイル
株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)では、「白井データセンターキャンパス」において、東京エレクトロンデバイス長崎の電子錠サーバー・ソフトウェア「RMS-ELSS-R」及び電子錠管理ユニット「RMS-EL48R」を導入しました。サーバーラックの電子錠制御により、扉の開閉監視の一元化はもちろんのこと、解錠・施錠のためのオペレーション業務工数を軽減し、運用の自動化を進め、データセンター業務の省人化・効率化を進めていきます。
導入前の課題
- ■データセンター運用業務の自動化による効率化を進めたい
- ■サーバーラックの解錠/施錠などオペレーション業務を効率化したい
ソリューションの利点
- ■コストメリット、拡張性、セキュリティに優れた電子錠システム
- ■柔軟なサポート対応でシステム連携などデータセンターの自動化を支援
導入後の効果
- ■電子錠システムの導入により受付のオペレーション業務を効率化
- ■他システムと連携できる電子錠システムの導入により自動化を実現
技術を結集した白井データセンターキャンパス
新しい取り組みを積極採用し究極の自律データセンターへ
IIJの「白井データセンターキャンパス」は、これまで同社が培ってきた技術を結集して、新技術も積極的に導入するシステムモジュール型のデータセンターです。IIJでは2011年に松江データセンターパークを開設し、そこで培ってきたモジュール構造を発展させ、白井データセンターキャンパスでは需要のさらなる大規模化に対応するため、モジュール構造をより大きな単位で実現するシステムモジュール型工法を採用しました。これによりこれまで以上に柔軟なファシリティの拡張を実現しています。
IIJではデータセンターの低炭素化、省エネも推進しており、白井データセンターキャンパスではその取り組みの1つとして外気冷却空調を採用しています。外気を使った冷却ができない夏季にはリチウムイオン蓄電池を活用し、ピーク電力の削減に取り組んでいます。こうした取り組みに加え、さらにAIやロボットの積極的活用によりデータセンター運用の効率化も追求しています。
「白井データセンターキャンパスのコンセプトは“FacilityをSoftwareでSmartに、知性を持つデータセンターへ”です。オペレーション業務の自動化など運用面の効率化にも積極的に取り組んでいます」(三村氏)
昨今は人材が不足しており、特に24時間365日の運用が必要とされるデータセンターではその影響が顕著です。入退館の受付やサーバールームへのアテンド業務など、人手が必要となる業務については自動化を進めることで、省人化を図っていきます。
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株式会社インターネットイニシアティブ
基盤エンジニアリング本部
データセンター技術部 技術課
リードエンジニア
三村 恭弘 氏 -
株式会社インターネットイニシアティブ
基盤エンジニアリング本部
データセンター技術部 技術課
エンジニア
塚本 勢児 氏 -
株式会社インターネットイニシアティブ
基盤エンジニアリング本部
データセンター技術部
白井データセンターキャンパス
主任 石谷 則洋 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
- 所在地
- :東京都千代田区富士見2丁目10-2
飯田橋グラン・ブルーム - 資本金
- :22,991百万円
- 従業員数
- :連結3804人/単体2206人
- URL
- :https://www.iij.ad.jp/
電子錠システムで業務を自動化
電子錠ソフトウェアのUIや管理ユニットのポート数の多さが決め手に
そうした自動化への1つの取り組みがサーバールーム内のサーバーラックへの電子錠システム導入です。データセンターにおいては従来、入館の受付を行い、サーバールームへアテンドし、お客様のサーバーラックを解錠します。お客様の作業が終了したらサーバーラックを施錠して退館のご案内、というオペレーションを人手で行ってきました。
電子錠システムによりお客様がカードキーをかざすだけでサーバーラックの解錠ができ、扉を閉めることで自動施錠できます。また、受付のPCから全てのラックの施錠確認ができるため、オペレーション業務の削減とともに効率的な管理体制も実現しました。白井データセンターキャンパスでは、2019年の開設から電子錠システムの導入を視野に入れてサーバーラックを準備してきました。
「電子錠システムは、既存の運用業務内容と品質を維持したまま、当社が求める“自動化、効率化に繋げられる”ことが第一の要件となりました。また拡張性やセキュリティ、他システムと連携するためのカスタマイズに柔軟に対応できるかなども選定のポイントでした」(塚本氏)
検討の結果、IIJが選定したのは東京エレクトロンデバイス長崎製の電子錠システムサーバー・ソフトウェア RMS-ELSS-Rと、電子錠管理ユニット RMS-EL48Rです。導入に際しては、工事計画の策定と施工及び施工管理を、IIJのグループ会社であるネットチャート株式会社に一任し、実施しました。
この電子錠システムは、電子錠の統合管理を可能とする新製品です。扉監視/電子錠制御機能はもちろんのこと、リアルタイムなモニタリングや、ワンクリックでの解錠・施錠が可能です。さらに非接触ICカードにも対応しています。今回の導入では、RMS-EL48Rのポート数(管理可能ラック数)が48と多いことでラックあたりのコストが抑えられることに加え、ユニットからサーバーラックへの物理接続が計装用ケーブルではなくLANケーブルで可能となっていることから、工費の節約が見込める点も高く評価されました。
受付周りの定型業務でオペレータ対応が不要となる環境へ向けて
あらかじめ電子錠システムに対応したサーバーラックを導入していたことから、設置工事はスムーズに完了し、2020年12月から正式に利用を開始しています。
「電子錠システムの導入は初めてということもあってセキュリティ面などに不安もありましたが、問題なく運用できています。お客様からも“ラックの開閉が楽になった”とご評価いただいていますし、当社側の工数も削減できています」(石谷氏)
電子錠システムを導入したばかりの2021年2月現在では、入館者が希望される場合は、オペレータがシステムの利用法などを案内しています。
「現在は導入直後ということもあり、人によるお客様へのサポートを行っていますが、将来的には受付周りの人の運用はゼロに近づけることができると期待しています」(石谷氏)
提案から構築、運用における東京エレクトロンデバイス長崎の対応についても、「迅速な問い合わせ対応や手順書の充実さ、システム間の連携やサーバーの構築手順への柔軟な対応などを高く評価しています」(塚本氏)
IIJでは、将来的にサーバーラックの増設に合わせて電子錠システムについても拡張を行っていきます。今後の展望について、塚本氏は次のように語ります。「運用の自動化についてはまだ道半ばですので、電子錠の無線化なども視野に入れ、さらに進めていきたいと思っています。今後はサーバーラックの扉開閉以外のステータスも取得して分析を行い、より自律型のデータセンターに近づけていきたいです。新型コロナウイルスの流行により、昨今は非接触が求められている側面もあります。カードキーだけでなく、お客様自身のスマートフォンを用いた認証機能などにも期待しています」
本案件で導入された製品
【白井データセンターキャンパスのご紹介】
千葉県白井市の強固な地盤を誇る下総台地に立地。敷地面積は約4万平方メートル。モジュール構造や省エネの追及、運用の高度化・効率化といったコンセプトを松江データセンターパークから受け継ぎつつ、大規模/大容量に対応。単なるサービスの拠点ではなく、近郊のデータセンターやさまざまなクラウドサービス、IXと接続するHUBへと進化させていく。
白井データセンターキャンパスHP