導入事例

CASE STUDY

株式会社ミライト・ワン

本事例で採用された製品・ソリューション

センサマネジメントユニット
RMS-4000

再生可能エネルギーや発電所の余剰電力を計算力に変える
「コンテナ型データセンター/M:MDC」にRMS-4000を導入
環境監視アプライアンスでデータセンターをリアルタイム監視

通信インフラ設備大手の株式会社ミライト・ワンでは、モルゲンロット株式会社、WOODMAN株式会社とともに、GPUベースの産業用コンテナ型データセンターソリューション「M:MDC(モルゲンロットモバイルデータセンター)」を構築、サービス提供を開始しました。M:MDC内の環境監視には、東京エレクトロンデバイス長崎のRMS製品を導入。M:MDCの狙いや概要から、RMS製品導入の理由、効果などをお聞きしました。

導入前の課題
  • ■機能・スペック・コストパフォーマンスにおいて、コンテナ型データセンターに適した製品を探していた
  • ■メールサーバを設置せずに、アラート発生時のメール発報を実行したい
ソリューションの利点
  • ■コンテナ型データセンターに求められる監視項目を満たしたうえで高いコストパフォーマンスを発揮
  • ■「コンテナ型データセンターを1つのシステムで運用・監視する」将来像に適したシステム
導入後の効果
  • ■コンテナ型データセンターの環境監視のためのコストを大幅に低減
  • ■モニターボックスによるセキュアなアラート通知メール
  • ■発電所の余剰電力を計算力に変えるM:MDCの提供が可能に
再生可能な電力から作られた計算力を届ける
GPUベースの産業用コンテナ型データセンターを開発

通信インフラ設備企業の株式会社ミライト・ワンは、これまで培ってきた技術力を基盤に、街づくり・里づくりや企業DX・GX、グリーンビジネスやグローバル事業など、顧客や社会の課題解決、地域の活性化に積極的に取り組んでいます。

「グリーン分野は近年特に求められていますので、EV(Electric Vehicle、電気自動車)や再生エネルギー関連などにも積極的に取り組んでいます」(日比野氏)

ミライト・ワンでは2022年12月、モルゲンロット株式会社、WOODMAN株式会社とともに、GPUベースの産業用コンテナ型データセンターソリューション「M:MDC(モルゲンロットモバイルデータセンター)」を設置し、サービス提供を開始しました。

「M:MDC」は、利用者の近くにコンテナ型のデータセンターを設置することでデータ転送コストを圧縮することや、クラウドで計算力の提供を可能とし、利用者のハードウェア初期投資を不要とすることができます。そのため低コストで手軽に高速演算能力を提供することが可能です。

またヒートパイプと水冷板による省エネ冷却技術を採用することでSDGsの省エネ要件に対応し、再生エネルギー発電サイトへの設置などによりクリーンエネルギーでの運用が可能となっています。

近年ではアニメーションやゲームなどのCGを制作する際に、高価なGPUサーバを所有するのではなく、GPUリソースをサービスとして利用するケースも多くなっています。また、複雑なシミュレーションを多用する自動車開発や都市開発など、さまざまな分野の研究機関でも利用されているCGレンダリングでは、大容量データが日々演算されています。

  • 株式会社ミライト・ワン
    キャリアイーストカンパニー
    ネットワークエンジニアリング事業本部
    エンジニアリング部 第二ネットワーク部門部門長
    日比野 彰 氏

  • 株式会社ミライト・ワン
    みらいビジネス推進本部
    みらいビジネス推進部
    西山 和人 氏

株式会社ミライト・ワン

所在地
:東京都江東区豊洲5-6-36
資本金
:70億円
従業員数
:3,635名(2023年3月31日現在)
URL
https://www.mirait-one.com/

RMS-4000を活用したミライト・ワン様のコンテナ型データセンターの環境監視構成図

「コンテナ型データセンターへの取り組みは当社としても初の試みです。モルゲンロット社の掲げているコンセプトの“再生可能エネルギーや余剰電力から作られたクリーンな計算力を届ける”を実現するための最適解にM:MDCが位置付けられるよう目指しています」(日比野氏)

M:MDCの環境監視システムにアプライアンス「RMS-4000」を採用

3社は2022年12月、ミライト・ワン池袋技術センターに、一号機となるGPUベースの産業用コンテナ型データセンターを設置・構築しました。このプロジェクトで、ミライトワンはコンテナサーバ設計・構築・運用・メンテナンスを担当し、モルゲンロット社はクラウドベースの分散型高速演算処理に必要なミドルウェアや各種ソフトの開発、WOODMAN社は高性能半導体をベースとしたサーバ用ハードウェアの調達と設計技術サポートを担当します。

設置にあたってミライト・ワンは、コンテナそのものや空調などのインフラ部分の設計から構築を担いましたが、その中で環境監視システムの選定・設置も行いました。

「当初想定していた環境監視システムには、コストパフォーマンスに問題がありました。大規模なデータセンター向けのDCIM(DataCenter Infrastructure Management)だったため、コンテナ型データセンターとしてはオーバースペックで、かなり高額なものだったのです」(西山氏)

そこで西山氏は、情報収集の際にグループ企業から紹介を受けた東京エレクトロンデバイス長崎へ、コンテナ型データセンターに最適なスペック、かつ必要な監視機能を備えているコストパフォーマンスの高いソリューションの提案を求めました。

「当社の要望と意図をしっかりと把握し、迅速に動いてくれました。提案してくれた内容は、コンテナ型データセンターに合った必要十分な機能を備えており、コストパフォーマンスにも優れていました。また、既設のDCIMではアラート発生時のメール発報にサーバの設置が必要でしたが、その改善提案も後押しとなり、すぐに採用を決めました」(西山氏)

1つのシステムでの運用・監視体制構築を目指し、さらなる検証とチューニングを継続

東京エレクトロンデバイス長崎の提案によるシステム構成は、センサマネジメントユニット「RMS-4000」に温度センサ・湿度センサ・電流センサ・UPS接点監視を接続し、それぞれ監視する体制を構築します。また、既設のDCIMではネックとなっていたアラート発生時のメール発報については、モニターボックスを設置しLTE回線経由でクラウド管理できる保守サービス「RMSリモート保守サービス」を活用することにしました。

「RMSリモート保守サービスは、アラート発生時にコンテナ内部のネットワークへ接続することなくLTE回線経由で発報。クラウドからメールを受け取ることができます。セキュリティ面においても非常にマッチした提案でした」(西山氏)

RMS-4000アプライアンスやセンサ類、モニターボックスなどの設置は東京エレクトロンデバイス長崎が担い、問題なく完了しました。

「池袋技術センターのコンテナに設置し、現在稼働していますが問題なく監視できています。このデータセンターは技術検証用も兼ねていますので、今後のさらなる改善に向けて監視項目などの検討・検証は続けていきます」(西山氏)

「コンテナ型データセンターの監視にとって最も重要なのはコールドアイル*側の風量と温度です。近年のサーバは高負荷のものが多く、排熱を処理するためには非常に多くの風量が必要になります。空調システムから送風される風量、および温度について、アラートを出力すべき閾値をどうするかなど、細かいチューニングを続けているところです。」(日比野氏)

RMS-4000は温湿度や電流、UPS接点のほかにも、監視カメラや空調設備などとの連携も可能です。今後はM:MDCを求めるお客様のご要望に応じて監視項目をカスタマイズすることなども視野に入っていると言います。

「将来的には監視に関する部分をRMS-4000に統合、あるいは連携していければと考えています。コンテナ全体が、一つのシステムで運用・監視・空調制御などを一括でできるようにというのが最終的な到達点です。そこを目指して東京エレクトロンデバイス長崎には今後も適切な提案とサポート力を期待しています」(日比野氏)

*コールドアイル:機器を冷却するための冷たい空気の通り道

本案件で導入された製品
【株式会社ミライト・ワンのご紹介】

ミライト・ホールディングス、ミライト、ミライト・テクノロジーズの3社統合により2022年7月1日に発足。“技術と挑戦で「ワクワクするみらい」を共創する”ことをパーパスとして掲げ、情報通信設備建設や総合設備事業で培ってきた技術力を基盤に、街づくり・里づくりや企業DX・GX、グリーンビジネスやグローバル事業など、顧客や社会の課題解決、地域の活性化に取り組んでいます。

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