東京エレクトロン デバイス長崎株式会社

サーバラック温度監視によるパトランプ(パトライト)警報

サーバラック温度監視によるパトランプ(パトライト)警報
目次
  1. データセンターのサーバラック温度管理基準とは?
    1. ASHRAEガイドラインに基づくラック温度監視のポイント
    2. サーバラックにおける吸気温度監視の一般化とその背景
  2. 有線温度センサと無線温度センサ
    1. どちらを選ぶ?有線と無線のメリット・デメリット
    2. 1-Wire(ワンワイヤ)技術によるセンサネットワーク MicroLAN
    3. TSMP技術によるメッシュ無線ネットワーク SmartMesh(スマートメッシュ)
  3. ヒステリシス幅設定による警報のチャタリング防止
  4. 温度異常をパトランプで知らせるには?ネットワーク対応パトランプの導入ステップ
    1. パトライト / PATLITE  ネットワーク制御信号灯 NHBシリーズ
    2. アイエスエイ / ISA 「警子ちゃん」シリーズ

データセンターのサーバラック温度管理基準とは?

ASHRAEガイドラインに基づくラック温度監視のポイント

ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)ガイドラインでは、サーバラック内の熱だまり(ホットスポット)を防ぐため、温度監視すべきポイントとして1ラックにつき6カ所のセンサ設置が推奨されています。

前面(吸気側): 上・中・下の3カ所。サーバが吸い込む冷気の温度を確認
背面(排気側): 上・中・下の3カ所。サーバからの排熱が正常かを確認

そして、温度範囲は以下の範囲が推奨されています。

推奨温度: 18℃ ~ 27℃(吸気側)
許容範囲: 15℃ ~ 32℃(短時間なら許容されるが故障リスクは高まる)

旧来の「部屋全体を冷やす」考え方からラック前面の吸気温度を最適化する運用が推奨され、ラックの吸込口前面に温度センサを設置することで「冷気が届いているか」を監視します。また、吸気温度だけでなく背面の排気温度も測ることで吸排気温度差を算出、これにより風量が不足していないか、あるいは冷やしすぎて無駄なエネルギーを消費していないかを正確に把握できるとしています。

サーバラックにおける吸気温度監視の一般化とその背景

ASHRAEでラック前面・背面共に監視することを推奨する一方で、前面(吸気側)の3点のみを監視する運用が広まっているのには2つの理由があります。

①全ラックに6つの温度センサを設置するのはコストや配線管理の負担が大きいため
②サーバ故障やパフォーマンス低下防止という観点からみると、吸気温度の管理が重要なため

これらから、現実的には「吸気側の3点監視で十分」という考え方が広まっています。さらに「少なくとも1ラックおきに前面3カ所」という基準を推奨している業界団体もあります。

有線温度センサと無線温度センサ

どちらを選ぶ?有線と無線のメリット・デメリット

室内温度を測定するセンサは、通信方式によって大きく「有線タイプ」と「無線タイプ」に分類されます。
有線センサは、LANケーブルや専用線を用いた物理的な接続が必要です。導入時には配線工事のコストや手間がかかる反面、通信の安定性に極めて優れており、電波干渉によるデータ欠損のリスクがほとんどありません。また、電源供給を配線から行えるため、電池交換などのメンテナンスコストを抑えられるという、高いコストパフォーマンスが魅力です。 一方で、近年主流となっている無線センサ(ワイヤレスセンサ)は、様々な無線通信技術を用いてデータを飛ばします。壁を隔てた場所や高所など、配線が困難な場所にも「後付け」で容易に設置できるのが最大のメリットです。高性能な通信モデルほど本体価格は上がりますが、施工期間の短縮やレイアウト変更への柔軟な対応が可能になるため、トータルでの運用効率を重視する現場に適しています。

1-Wire(ワンワイヤ)技術によるセンサネットワーク MicroLAN

東京エレクトロンデバイス長崎では、有線温度センサに古くから1-Wire温度センサを採用、長年に渡りデータセンターや通信局舎などに導入しています。1-Wireセンサは世界中で使われている非常に長い歴史を持つデバイスです。1980年代後半に開発され、1990年代後半からデジタル温度センサの代名詞として普及。登場から30年以上経った今でも設計変更されることなく現役で生産・使用され続けています。
1-Wire温度センサの最大のメリットは「複数のセンサを長距離にわたってバス接続(デイジーチェーン)できる点」にあります。一般的なデジタル通信と比較して、配線の簡素化と設置の柔軟性において非常に優れており、ツイストペアケーブル(電話線やLANケーブルなど)を使用してネットワークを構築できます。各センサには固有の64ビットIDが割り振られており、1本のバスに数十を超えるセンサを数珠つなぎにして個別の温度を識別して読み取れます。センサデータはデジタル信号としてデータ送受信されるため、アナログ電圧を出力するセンサに比べて電気的ノイズの影響を受けにくく、データの精度が保たれます。また、センサ内部でアナログ信号をデジタル変換しているため、ADコンバータの誤差を受けにくく室温温度監視には十分な精度が最初から保証されているため、キャリブレーション(校正)は不要です。

TSMP技術によるメッシュ無線ネットワーク SmartMesh(スマートメッシュ)

東京エレクトロンデバイス長崎では、無線温度センサに時間同期メッシュプロトコル(Time Synchronized Mesh Protocol)技術によるメッシュ無線ネットワーク「SmartMesh(スマートメッシュ)」を採用しています。SmartMeshは、世界中で採用実績があり、特に産業用IoT分野では歴史のある無線センサネットワーク技術です。通信経路に障害が発生しても、網の目(メッシュ)状のネットワークが自動的に別のルートを探して接続を維持します。また、全てのノードが時間同期し、周波数をホッピング(切り替え)しながら通信するため、電波干渉や障害物に非常に強いという特徴があります。このため、データセンター・工場・プラントなど、電波環境が悪い過酷な場所でも99.999%以上のデータ信頼性を維持する技術として長く知られています。さらに、すべてのノード(通信端末)が効率的にスリープと通信を切り替えるため、電池のみで長期運用が可能という点も大きな特徴です。

ヒステリシス幅設定による警報のチャタリング防止

温度監視システムにおいて、ヒステリシス幅の設定は警報の「チャタリング(短期間にオン・オフを繰り返す現象)」を防ぎ、システムの安定性を高めるために不可欠です。ヒステリシスとは、「ある状態が、それ以前の状態の変化の経過に依存する特性」のことです。温度監視では「警報が出る温度」と「警報が解除される温度」に幅を持たせることを指します。もしヒステリシスを設定せず、特定のしきい値だけで判定を行うと、測定環境における空気のわずかな揺らぎ等で測定温度がしきい値を跨いで細かく行き来した場合、警報「発生」と「復旧」が数秒間に何度も繰り返されます。
東京エレクトロンデバイス長崎の製品では、温度監視における上限(警報・注意)/下限(警報・注意)の4つの各しきい値毎にヒステリシス幅を設定でき、それぞれ”解除値”として設定します。

温度異常をパトランプで知らせるには?ネットワーク対応パトランプの導入ステップ

ネットワーク対応のパトランプ(ネットワーク警告灯)のメーカーには、パトライトやアイエスエイなどがあります。いずれのメーカーもSNMPトラップの受信(トラップ・マネージャ機能)に対応しており、ネットワーク機器やサーバからの異常通知トラップを受けてランプ点灯・点滅やブザー鳴動させることができます。温度監視システムでは、測定温度のしきい値判定をした装置が警報(SNMPトラップ)をパトランプ(ネットワーク警告灯)に送信します。パトランプにはランプ点灯・点滅する条件として受信するSNMPトラップのOIDなどを設定します。
センサマネジメントユニット/RMS-5000には、注意・警報を知らせるトラップに①②の2種類があります。

① complementSysTraps
送信条件の設定とは無関係。どれかのセンサで注意や警報が発生するとトラップ送信される

② trapExpansionVarbinds
送信条件の設定に応じて送信されるため、送信したいセンサ種別など細かな条件指定ができる

ここでは、RMS-5000に接続した1-Wire温度センサ及びメッシュ無線温度センサのいずれかで温度異常を検出した際に「complementSysTraps」を送信し、パトランプで知らせる設定例を示します。

パトライト / PATLITE ネットワーク制御信号灯 NHBシリーズ

国内シェアが非常に高く、「パトライト」という言葉自体が登録商標となっているメーカーです。

RMS-5000設定・NHBシリーズ 設定例

アイエスエイ / ISA 「警子ちゃん」シリーズ

ITインフラやデータセンターでのネットワーク監視による導入例が多くあります。

RMS-5000設定・警子ちゃんシリーズ 設定例

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