導入事例

CASE STUDY

NECネッツエスアイ株式会社

本事例で採用された製品・ソリューション

センサマネジメントユニット
RMS-4000
交流電流監視ユニット
RMS-CU80

カーボンニュートラル実現に向けた検証システムに
センサマネジメントユニット「RMS-4000」、電流監視ユニット「RMS-CU80」を採用
データセンター管理システム「VM7」でCO2排出量を可視化

  • センサマネジメントユニット 業種:電気・ガス
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「DXソリューション」、「ネットワークソリューション」、「社会・環境ソリューション」を軸に、幅広い事業を展開するNECネッツエスアイ。社会課題の解決にも積極的に取り組む同社では、カーボンニュートラルの推進にあたって自社内のCO2排出量の可視化に着手。その実現に向けて選択されたのが、東京エレクトロンデバイス長崎が開発/販売するセンサマネジメントユニット「RMS-4000」、交流電流監視ユニット「RMS-CU80」を活用した電力消費監視システム、そしてエフ・アイ・ティー・パシフィックのデータセンター管理システム「VM7 IDC Visual Manager」でした。

導入前の課題
  • ■カーボンニュートラルの推進に向けて、社内のCO2排出量を可視化したい
  • ■電流センサからの情報を取得しSNMPに変換、IPネットワーク上で統合管理したい
ソリューションの利点
  • ■コストと構築期間を制御しながらCO2排出量を可視化できるシステムを実現
  • ■センサ接続の拡張性、柔軟性に優れたシステムの導入により、将来的なセンサの増設にも容易に対応可能な仕組みを構築
導入後の効果
  • ■フロアの各スペース別にCO2排出量を可視化し、排出量削減のための効果的な施策立案に寄与する環境を整備
  • ■CO2排出量削減の自社実践により、環境負荷低減に寄与するソリューションを拡販していくためのノウハウ、知見を蓄積
カーボンニュートラルの実現に向け
CO2排出量の可視化に着手

企業や通信事業者、官公庁、社会インフラ事業者など、様々な顧客に対してICTやネットワーク、そして施工・保守サポートまで、幅広いサービスを提供するNECネッツエスアイ。SlerとしてDXを通じた顧客のビジネスモデル、および社会モデルの変革をサポートし続けています。

そうした同社では社会課題の解決にも積極的に取り組んでいます。1996年に環境方針を制定して以来、事業活動における継続的な環境負荷低減、および環境に配慮した製品・サービスの提供により、持続可能な社会の実現のための活動を行ってきました。その中でも近年、特に注力している取り組みが、温室効果ガス排出量を実質ゼロにすること、すなわち「カーボンニュートラル」の推進です。

「2022~2024年度の3か年を期間とする中間経営計画「Shift up 2024」においても、全ての事業を気候変動対応型へと移行することを宣言しており、温室効果ガス排出量の削減目標として、2024年度には2019年度比で89%削減、そして2030年度には実質ゼロを定めています」(池田氏)

この取り組みを加速させるため、2022年4月に社長管轄の組織として設立されたのがカーボンニュートラル推進本部です。全社的なCO2削減のための活動を行うとともに、自社での実践を通じた、環境負荷低減に寄与する事業やビジネスモデルの社内実現を進めています。今回、取り組みの一環として行われたのが、自社オフィス内におけるCO2排出量の可視化でした。

「社内のCO2排出量の可視化によって現状を把握するとともに、その原因を追究することで対策を打ち立て、改善に役立てていこうと考えたのです。また、CO2排出量を目に見える状態にすることによって、社内における環境負荷低減への意識をさらに高めていくという狙いもありました」(池田氏)

その実現に向けて必要不可欠だったのが、オフィスで消費される電力量のデータをセンサによって収集し、さらに管理システムを用いてCO2排出量として換算したうえで可視化する仕組みでした。

  • NECネッツエスアイ株式会社
    カーボンニュートラル推進本部
    本部長
    池田 一洋 氏

  • NECネッツエスアイ株式会社
    カーボンニュートラル推進本部
    カーボンニュートラル事業推進担当課長
    竹冨 則和 氏

  • NECネッツエスアイ株式会社
    カーボンニュートラル推進本部
    主任
    星野 渉 氏

NECネッツエスアイ株式会社

所在地
:東京都港区芝浦3-9-14
資本金
:131億2,200万円
従業員数
:7,825名(2023年3月31日現在)
URL
https://www.nesic.co.jp/

RMS-4000、RMS-CU80、VM7を活用した実際のイメージ図

センサマネジメントユニットRMS-4000、電流監視ユニットRMS-CU80を採用し消費電力量の収集と可視化を実現

要件を具現化するためのセンサや管理システムを模索する中、最終的にNECネッツエスアイが選択したのは、東京エレクトロンデバイス長崎が開発/販売するセンサマネジメントユニットRMS-4000、交流電流監視ユニットRMS-CU80を活用した電力消費監視システムと、エフ・アイ・ティー・パシフィックのデータセンター管理システムVM7 iDC Visual Managerでした。

「VM7 iDC Visual Managerを選択した理由は、NECネッツエスアイのデータセンター監視ビジネスでお客様への導入実績があり、これを応用することで電力消費量に基づくCO2排出量の可視化ができると考えたからです。その際にデータを収集するための機器として、RMS-4000/RMS-CU80の存在も知ったのです」(池田氏)

RMS-4000は1-Wire/RS485/USB/LANインターフェイスを持ち、交流電流をはじめとした6種類のセンサや信号を遠隔監視できる、統合管理機能を有したユニットです。一方、RMS-CU80は電流センサを多数接続できる交流電流監視に特化したユニットです。

RMS-4000/RMS-CU80が選択された理由の1つは、センサから得られたデータをSNMPに変換することで、IPベースの監視システムに一元的統合、管理できることにありました。

「電流センサからのデータをアナログではなく、IPネットワーク経由で収集できるということは、一般的なLAN構築と同様の仕組みで導入できます。この仕組みであれば、ネットワークの設備工事や機器導入にかかるコストと時間を抑制できると考えました。管理ツールであるVM7と組み合わせた導入事例も既にあり、ある程度パッケージ化された導入事例が可能であることも決め手となりました」(池田氏)

また、センサ接続の拡張性、柔軟性も採用のポイントだったといいます。

「RMS-4000は電流センサのほかにも、温度、湿度など、多種多様なセンサを接続できるため、さらなるCO2削減に向けた取り組みを進めていくための、多面的なデータ収集が可能になると考えました。一方、RMS-CU80はより多くの電流センサを接続できるため、消費電力量を場所ごとにさらに詳細に測定したい場合のセンサの追加にも容易に対応できます。このように、要件に応じて使い分けができることから、異なる2製品を導入しました」(竹冨氏)


実証実験の成果で全社展開も視野に
収集したデータの分析にも着手

2023年6月、東京芝浦の本社オフィスにてCO2排出量可視化実証設備としてRMS-4000/RMS-CU80、そしてVM7 iDC Visual Managerの導入が決定します。そして8月末に東京芝浦の本社オフィスで開催される「カーボンニュートラルセミナー」後に「実証設備を公開したい」との要望が社内から寄せられたこともあり、設置は急ピッチで進められ、8月末には構築が完了するなど、計画から約3か月で導入を終えることができました。

「分電盤への取り付けにも大がかりな作業は不要で、簡単に行えました。設置工事も特に行わなかったので、原状回復が容易であることも評価のポイントです」(星野氏)

現在では、本社ビルの4F、および7Fの会議室やオフィスのゾーンごとに電流センサを設置し、RMS-4000/RMS-CU80が電流値を取得、さらに、ネットワーク経由でVM7 iDC Visual Managerがそれらの情報を収集した後、CO2排出量に換算して管理画面のフロアマップ上に表示されています。

「現時点では実証設備としての導入であり、実運用はこれからです。現在は、本社を訪問するお客様に対して、当社のカーボンニュートラルに向けた取り組みの一例として紹介しています」(池田氏)

「事実、多くのお客様が興味を持って見学に来ていただいており、「CO2の排出量が視覚化されて、とても分かりやすい」といった評価の声が多数寄せられています。また、口コミを通じてさらなる見学要望の申し込みも増えており、反響の大きさを実感しています」(竹冨氏)

今回の試験導入による実証実験を経て、その有用性が社内でもさらに認知されれば、今後は本社全体、さらには日本橋のオフィス、そして支社支店へ展開していく方針です。

「将来的には全社員が管理画面を閲覧できるようにすることで、日常的にCO2排出量を意識し、環境負荷低減に取り組んでもらえるような仕組みを実現したいと考えています」(星野氏)

また、ビジネス面からも同社が提供する統合ファシリティ管理ソリューション事業拡大の一環として、「CO2排出量削減」をラインナップに加え、自社による実践を積極的にアピールし拡販につなげていく意向です。

RMS-4000/RMS-CU80、およびVM7 iDC Visual Managerの導入によって、CO2排出量の可視化を実現したNECネッツエスアイ、最後に池田氏は、次のように今後の展望を語りました。

「今後は、センサを通じて収集、蓄積したデータを活用し、効果的なCO2排出量削減のための分析を行っていきたいと考えています。また、既にフロアに設置されている人流センサと組み合わせることで、オフィス照明の節電に貢献する仕組みを実現するなど、様々な施策を進め、さらなるCO2排出量に取り組んでいきます」(池田氏)


本案件で導入された製品
【NECネッツエスアイ株式会社のご紹介】

ネットワークをコアとするICTシステムに関する企画・コンサルティングや設計・構築などの提供、および日本全国にわたるサポートサービス拠点による24時間365日対応の保守・運用、監視サービスならびにアウトソーシングサービスの提供をしています。

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