
お客様の課題
本案件のお客様は従来より、室間伝送用通信モジュールへの電源供給、およびステータス監視ユニットを提供されておりました。しかしながら、ネットワーク接続は未対応となっており、スタンドアロン動作での運用が基本となっておりました。また、通信モジュールのステータスおよび供給電源状況は、ユニット上のLED表示や異常有無を示す数点の接点出力をモニタする以外ありませんでした。
お客様からのご要望
“受託開発から量産まで
一貫生産対応して欲しい”
次期製品用として以下の要求をお客様より頂きました。
各要求に対し、弊社製品に実装された各機能のカスタマイズ、および長年の製品提供実績にて実現可能です。
- ・既存製品の後継機に組み込むためのSNMPプロキシボードを、受託開発から量産まで一貫生産対応して欲しい。
- ・ネットワーク接続可能なSNMPエージェントとして、状態監視・設定・通知機能を実装する。
- ・OID仕様の提案およびMIBファイル提供に対応する。
- ・SNMPボードにはWebプログラムを内蔵し、同じネットワーク上のWebブラウザにて状態確認・設定を可能とする。
- ・現製品の仕様を機能改善し、各通信モジュール状態や各電源状況をLED表示する。
受託製品の機能
製品機能
SNMP対応 ネットワーク上での
容易な監視を実現
以下図2において、赤破線部の通信モジュール監視ボードが弊社受託組込みボードを指します。図1の旧製品では異常通知用接点出力機能を有するのみでしたが、図2の後継製品ではSNMPエージェント、およびWebプログラムを有しています。そのため、機器・設備監視のために接点入力監視デバイスを必要とせず、ネットワーク上のSNMPマネージャと接続することを可能としました。さらに組込みボードには、Webプログラムを内蔵しているため最小構成でのシステム構築が可能となり、高いコストパフォーマンスを実現します。

Webブラウザ画面
Web画面からの容易な設定が可能
組込みボードにはWebプログラムを内蔵しているため、Webブラウザからダイレクトにアクセスして、パラメータの設定やステータスのモニタリングができます。

受託製品のイメージ
設計・製造・サポートまで
自社で一貫対応
自社製品の設計・製造で培ってきた高い技術力を用いて、お客様に満足のいく製品をご提供します。
当社は、これまでに様々な分野の産業用機器への組込製品の開発設計に携わり、多くの"ものづくり"を経験させて頂いています。

要素技術について
受託組込みボードでは、SNMPエージェント・Webプログラムを搭載していますが、これらの機能は弊社が設計・製造している監視製品の技術を転用しています。弊社の環境監視製品 RMS-4000は以下のセンサ情報を集約し、SNMPエージェント機能を有しているため、SNMPマネージャと連携することが可能ですので、上位システムで監視対象の一元管理を行うことができます。

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センサマネジメントユニットRMS-4000
温度・湿度・接点入力・電流センサ・アナログ信号・マルチメータ等の様々なセンサ類をWeb/SNMPから統合監視するユニットです。
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接点監視ユニットRMS-DIO80
AC100V/200Vシングル電源タイプの接点監視・制御ユニットです。接点入力80点、接点入力40点、接点出力80点、接点出力40点、接点入力40点+出力40点の5タイプをラインナップ。
製品の連携
Zabbixを使用した監視システム
Zabbixはオープンソースソフトウエアの監視ソフトであり、弊社監視製品とネットワーク接続することで機器状態の監視を行うことが可能となります。接点出力機能を有した旧製品の場合、Zabbix等のSNMPマネージャ機能を有する監視ソフトを使用するには、接点入力監視装置を導入する必要がありました。
今回、受託開発・製造したSNMP対応監視ボードでは、SNMPマネージャとネットワーク上で直接接続が可能となり、より多くの情報伝達を可能としました。


Zabbixの詳細につきましては、
以下の公式サイトからご確認できます。
Zabbixテンプレート
Zabbixでは、設定情報をテンプレートファイルとして抽出することが可能です。弊社は環境監視製品 6機種に対して、Zabbixテンプレートを提供しています。SNMP対応の通信モジュール監視ボードにもテンプレートのご提供が可能です。
- テンプレートに含まれる設定
- ・アイテム設定(監視対象のセンサ情報)
- ・トリガー設定(SNMPトラップを受信した際のアラート設定)
弊社の環境監視製品(RMSシリーズ)とZabbixとの連携については、以下ページをご覧ください。

Zabbix Japan様のインテグレーションページにて、弊社テンプレート紹介ページを掲載しております。
